映像コンテストの受賞作品が決定いたしました。

「東北映像フェスティバル2020」映像コンテストの受賞作品が決定いたしました。

たくさんのご応募、ありがとうございました。


東北映像フェスティバル2020「映像コンテスト」

■ 2020/06/22 「東北映像フェスティバル2020 映像コンテスト」受賞者決定!

 

【 番組部門 】

大賞 東北総合通信局局長賞

  作品 「YBCドキュメンタリー ぶちかませ! 小町 ~泣き虫 相撲っ娘の挑戦~」
  制作 株式会社 プライド・トゥ

山形県酒田市の小学5年生・秋葉小町ちゃん(10)アマチュア相撲で世界一に輝いた兄に魅せられ、6歳のころから相撲を始めた。師匠は御年82歳の名伯楽。「相撲で一番大切なのは、心」「技術や体が優れていようとも、おごり高ぶらず、相手に対し礼儀を払わなければならない」その教えを胸に、相撲を通じ心身ともに成長していく小町ちゃんの4年間を、彼女を相撲道に引き込んだ「男」たちとの出会いと別れとともに見つめます。

審査コメント

たいへんに面白い番組でした。女の子の相撲という素材がいい。泣き虫の小町ちゃんもいい。長期取材をしなければ成立しない番組です。小町ちゃんの主観で語る大槻桃子さんのナレーションが効果的でした。取材対象に対する愛情が感じられる番組。取材者の熱意が伝わってきます。撮影・編集・ディレクターの佐藤愛未さん、これからも面白いドキュメンタリーを撮ってください。

で、ちょっと難をいえば ───

大相撲に行く大輔くんよりも卓兄ちゃんと小町ちゃんの絡みをもっと見せて欲しかった。
主人公である女の子が大変魅力的。彼女の成長を軸に、彼女を優しく見守り、或いは、影響を与えていく、地域の人々の生きざまが描かれている。 テーマである「大切なのは心」は、相撲道だけでなく、すべての生き方に通じる。国を超えて多くの方に見ていただきたい作品だ。

取材対象者が常に自然体であるのは、取材クルーとの信頼関係が築かれていることの表れであろう。また、ナレーションを、少女とベテラン男性とで分担したことも、テーマを際立たせる上で成功している。
小町さんの成長ぶりがわかりやすい。4年目の秋、全国大会へ準決勝、そして優勝候補に敗れるが3位に。2019年、小学五年に。まわしも一人で巻けるようになり、道場にも一番乗り。タイヤの大きさで成長がわかり、80キロも押せるようになり、成長がわかりやすい。なんかすがすがしく、気持ちのいい番組。 しかし、兄と妹らしいところが薄い。自宅での二人とか、相撲を教えたり勉強を押したりシーンが欲しかった。

 

優秀賞

  作品 「東北の聖地を訪ねて 青森県立佞武多」
  制作 東北朝日プロダクション

東北地方に今も色濃く残る豊かな歴史観と自然環境は、混乱する現代社会の矛盾や問題点を解く手がかりとなる可能性を秘め見直されるべき日本人のアイデンティティを探るヒントを与えてくれるのではないでしょうか。この番組は人々の心を惹きつけてやまない「民衆の聖地」を探す番組です。この回では青森県五所川原市の立佞武多を紹介。戦後の大火により一時途絶えていた巨大ねぷたですが、平成8年に町の有志により80年ぶりに復活した。観客も魅力される祭りを紹介する。

審査コメント

東北の夏祭りを代表する五所川原の立佞武多にスポットを当てる。80年ぶりに巨大ねぷたを復活させようとした地元の人たちの誇りや執念が作品に込められた番組である。とにかく夏まつりにふさわしく熱気が伝わってくる。
「立ちねぷた」の歴史を紹介した作品。令和になって最初に行われた、記念すべきお祭りを記録している。祭りにかける絵師の思いも伝わってきた。映像も美しく迫力がある。ただ、よくあるオーソドックスな構成であることは否めない。

【 地域振興コンテンツ部門 】

大賞 東北経済産業局長賞

  作品 「米沢品質 AWARD」
  制作 株式会社 プライド・トゥ
  https://www.youtube.com/playlist?list=PLP2hHy9-kriR2PPOWTN2conpm59I5iiht

米沢品質AWARDとは、米沢品質向上運動の中から生まれる「挑戦と創造」をきわめ、特に秀でた米沢品質を有する商品や サービス等にする顕彰制度。このVTRでは米沢品質AWARDの最終審査に選出された地元企業や大学の取り組みが紹介されています。撮影はオールデジタルカメラ、仕上げは色調整を施し、各シーンに合わせて雰囲気を変えています。

審査コメント

しっかり作り込まれています。「米沢品質AWARD」理解できました。技術的には音処理のメリハリが効いています。特に車椅子対応の温泉旅館が印象に残りました。
米沢という地元にいながら、日本全国を相手に勝負しようと頑張っている人々の、なんと眩しいことか。これこそがグローバル化にふさわしい、地域の在り方だろう。見ている人々に、元気と勇気を与える作品である。

 

優秀賞

  作品 「Feel happiness in 南三陸」
  制作 南三陸町移住・定住支援センター
  ・Life Style
  ・Work Styl

「Life Style」は、南三陸に移住した4名が、暮らしの中から感じる「幸せ」を語り、「Work Style」では、南三陸に移住して仕事する2名と、移住者を受け入れる地元経営者2名が、それぞれの立場で「はたらく幸せ・誇り」を語ります。移住は「幸せ」な人生を送るための手段の1つ。あなたは、どんな人生を歩みたいですか。もしかしたら、あなたにとっての「幸せ」が南三陸で見つかるかもしれません。

審査コメント

壊滅的な津波被害を受けた南三陸町の復興プランを新たに移住してきた新住民の目を通して描く手法は目新しい試み。きっとこういう人たちの生き方が打ちのめされた地元の人々の生き方も変えるに違いない。ほっと癒される作品だ。映像・編集共に丁寧だ。地元の人に代わって心からエールを送りたい。
取材の多さが作品を支えています。「よそ者」の視線がイヤミなく伝わってきました。エンディング、子どもの誕生が強い印象を残しています。子どもが生まれて、南三陸に根付いたことを象徴するシーンです。「よそ者」から「地元民」になったということでしょうか。
地味な入り方だが好感が持てる。ライフスタイルに実感がこもっている。単純に「いいなあ住んでみたい」と強く思わせる。個人的な印象から入るのはいい、実感が出ている。ワークスタイルのほうも、インタの声がわかりやすいし中身も好感が持てる。受け入れ側とのマッチングもいい。

【 PRキャンべーン部門 】

大賞

  作品 JR陸羽西線PR動画「おぐのほそ道 彩りワンダーライン」Music Video
  制作 山形県酒田市 地域おこし協力隊 阿部彩人(八幡地域・大沢地区拠点)
  https://www.youtube.com/watch?v=XFGtw5Ah2xg

山形県庄内地域と最上地方に通じるJR陸羽西線の利用客数アップを目指して、沿線自治体の酒田市、庄内町、戸沢村、新庄市が共同制作。酒田市の地域おこし協力隊である阿部彩人が監督・撮影・編集を行った陸羽西線PR動画。松尾芭蕉と弟子に扮した、酒田市職員や地域おこし協力隊、各撮影地の住民など合計60人ほどが出演。

審査コメント

「最上川舟歌」の替え歌が秀逸。素材に惚れ込んで制作しているのだろうなと、うらやましくなりました。制作者の阿部彩人さんが一生懸命に制作しているようすが目に浮かぶようです。制作者はもちろん、地元出演者の熱意が伝わってくる作品です。しっかりJR陸羽西線のPRになっているのではないでしょうか。 好感の持てる作品です。テクニックに走るより、アイデアと地道に足で稼ぐ作品が視聴者を引きつけるという見本ではないでしょうか。
明るく覚えやすい曲のリズムに合わせて、地元の人たちがダンス。なんという一体感!地域の方たちの、地元を盛り上げようという想いがひしひしと伝わってくる、見ていてとても楽しい作品。お見事です。

 

優秀賞

  作品 「しらかわエリアプロモーション動画」
  制作 ふくしま県南観光推進協議会
  https://www.youtube.com/watch?v=Fk-GZmyuhEc

しらかわエリア(福島県白河市・西白河郡・東白河郡)の観光資源の磨き上げや新たな観光資源の発掘を行い、国内外に発信するために制作した作品。エリア内の観光スポットで追いかけっこする様子をドローンを駆使しダイナミックに撮影。途中には本エリアのキャッチフレーズを書にしたためる様子を入れ込み、緩急のついた映像に仕上げた。日本語版のほか英語・繁体字・簡体字版がある。

審査コメント

コミカルなドラマ仕立てで、いつの間にか白河の名所旧跡や観光地が紹介されている。面白いアイデアだ。映像構成や編集など細かい点まで気配りが行き届いている。文句なしに面白い。早速、白河に行ってみたい感じにさせられる。
構成が秀逸。忍者を追いかけていく過程で、白河の観光スポットが見事に紹介されている。随所に織り込まれた書道のシーンが、最後に完成されるという種明かしもお見事。

観光名所のスーパーが左上にあったのが残念。文字を目で追っているうちに本編を見逃してしまう。場所スーパーは正面の方が良かった。

 

特別賞

  作品 福島市消防団員募集PR動画「実は…編」
  制作 株式会社 福島映像企画
  https://www.youtube.com/watch?v=oj3UN7eRbbU

福島氏の消防団員は団員不足に悩んでいた。「若い人に興味を持ってもらいたい」そこで…街中で倒れた若者を助けたのは実は消防団員だったというストーリーでドラマ仕立てに仕上げた。消防団員は火消しをするのがメインの仕事だが人命救助の役割も担っている。人を守る地域を守る街のヒーローということを印象付け団員募集へとつなげた。

審査コメント

目的のハッキリした動画です。AEDの使い方、了解しました。消防団員の仕事、了解しました。ちょっとヤボな方が伝わるという見本のような作品です。
消防団の仕事が分かり易く紹介されている。しかも、身近な地域の消防団員が自ら出演していることって、大変好感度がもてる作品に仕上がっている。テーマを一つに絞り込んだのも良かったと思う。

【 CM部門 】

大賞 優秀賞 該当なし

【 学生部門 】

大賞

  作品 「沼山からの贈り物 / A gift from Numayama」
  制作 国際教養大学 栗原栄見

秋田の食卓に並ぶ伝統料理「いぶりがっこ」。その伝統を産み、支えたのは日本一美味しいと謳われた幻の大根「沼山大根」であった。一度途絶えたその大根の目を覚まそうとしている三人の男達はどんな想いを抱いているのか。彼らにとってその大根は、近代化で変化し続ける農業の有り方、そして現代の私たちの生き方を問い直させてくれる大切なものであった。「沼山からの贈りもの」はそんな幻の大根を追求する男達の熱き記録である。

審査コメント

かって秋田名物いぶりがっこの原料となっていた幻の大根の存在とそれを現代に復活させようという男たちがいるということに素直に感動を覚える。涙がでるほど美しい初頭の秋田の田舎の風景がドローン撮影の効果と相まって実にきれいだ。BGMも実に効果的。優れたドキュメンタリー番組だと評価したい。
クォリティーが高いが、これは学生が作ったのですか?製作団体名、学校名がクレジットになかったのが残念。

種の保存は毎年更新、農業試験場の研究員の「種がここに眠っている。どうしても目を覚ましてやりたい」という言葉が感動的。いぶりガッコは他と違う、沼山大根があったからいぶりガッコが生まれたのではという推論。沼山大根をそれぞれの地域特性の自分たちの野菜となっていくかもしれないという思い。肥料を使わないなど、農業、農家の在り方に一石を投じている。テーマがしっかりしているし、構成もぐいぐいと力技で引っ張るし、印象的な言葉がどんどん出てくる。まさに熱き魂の記録だ。

 

優秀賞

  作品 「奪」
  制作 東北電子専門学校 映像放送科   

卒業制作展に向けて制作したため、26分の長尺になった。タランティーノ、ガイ・リッチーなどの作品に触発され、自ら書き起こした脚本を映像化しました。『スナッチ』『レザボア・ドッグス』『ラジオの時間』等、多数の群像劇にオマージュを捧げ、シリアスとコメディのバランスを良くするために頭のネジが少し外れているキャラと真面目なキャラを常に画面に出しつづけ、作為的にふざけた作品にした。

審査コメント

独創性と演出力が光る、若さあふれる作品だ。スタジオをジャックする辺りからのテンポ感がに秀逸。学生とは思えない編集センスの良さ。内輪ウケになりがちなストーリーを、うまくまとめた。担当者達が最後までワンチームで頑張ったことが伝わってくる。

ちょっと描きすぎのシーンもちらほら。視聴者の想像力を信じて、引き算の演出も、今後は取り入れていって欲しい。

 

優秀賞

  作品 「仙南に吹く風~明日への想いをのせて~」
  制作 尚絅学院大学 総合人間科学部表現文化学科 大野ゼミ   

宮城県の南部に広がる仙南地域は2市7町で構成される。丘陵、平野、町、そして海と、古くから交通の要衝として歴史を紡いできた。しかし、仙南も日本全国の他の地域と同様、人口減少など様々な問題を抱えている。そんな中にも、地域の自然や伝統を現代に結びつけ、賑わいを盛り上げていこうと汗する人の姿がある。

「自然や人に溶け込むように暮らす、地道な「普通の人」を追い、地域に根ざす「生き生き」 を描こうとした作品です。

審査コメント

毎年この種の作品を拝見するが、本当によく時間をかけて地域を見つめ丁寧なロケをしている。仙南地区でしっかり生きている人々にスポットを当て、彼らを心から理解しようという姿勢が明確だから何のてらいもなく素直に取材対象と対峙出来るのだろう。ナレーションも淡々としていて好感が持てるし、インタビューやBGM使い方も堂に入っている。プロが作る番組と遜色がない秀作だと思う。
細かい部分まで丁寧に取材をしている。地域おこし協力隊の竹田さんをメインの主人公にした構成。自然を慈しみながら暮らす様子から、地域への愛着がストレートに伝わってくる。

彼のイントネーションは関西の訛りか。なぜ東北の地を選んだのか、その辺りまで掘り下げてほしかった。風景のカットをつなぎ、BGMとスーパーだけで語っていくインターミッションの部分は、ひきこまれた。

 

リーフレットデザイン優秀賞

  東北電子専門学校 デジタルデザイン科 2年 伊藤 陸

 たくさんのご応募ありがとうございました。